オヤマボクチ?
多くの方が聞きなれない名前だと思います。
オヤマボクチはキク科ヤマボクチ属の多年草であり、アザミ類の山菜に分類されます。日本に自生するアザミの仲間は60種類以上あるとされていますが、そのほとんどが山菜として利用可能です。
アザミ類の根が「ごぼう」に似ていることから、その別名「ヤマゴボウ」と呼ぶこともあるそうです。
オヤマボクチも「ヤマゴボウ」と呼ばれることがありますが、山菜の加工品などで、時々目にする「山ごぼう」の漬物は、ほとんどがモリアザミの根を加工しているものです。
「ヨウシュヤマゴボウ」という名前の山菜に注意!!
ヤマゴボウと名のつく山菜ですが、これは有毒の山菜です。
名前が似ていても、食さないでください!!
オヤマボクチの花
ウラジロと呼ぶのが小谷流!
小谷村では、オヤマボクチを「ウラジロ」と呼びます。
なぜその名前?
その理由はオヤマボクチの葉を裏返すとよくわかります。
表の緑とは違い白い!
そうです。まさに「裏白(うらじろ)」です。
オヤマボクチの葉の裏
実はこれがオヤマボクチの特徴!
オヤマボクチを漢字で書くと「雄山火口」と書きますが、これは葉に含まれる繊維を集めて、それを火打石の火花を移しとる火口に由来すると考えらています。
その名前の由来である繊維質のもの。オヤマボクチを実際に触ってみると一目両全ですが、それが葉の一面に毛羽立つような繊維が立っています。
それは、服が当たると引っ張られるぐらい強いもの。
この繊維が秘密!オヤマボクチの味わい方。
オヤマボクチの味わい方の代表格は、つなぎとしての活用方法です。
特徴である繊維質の葉っぱをそばのつなぎや団子のつなぎとして、活用します。
その作り方は?
オヤマボクチをそばや団子のつなぎにする方法は地方によって多々あるようですが、小谷流の作り方はとても簡単。
まずは、オヤマボクチの葉を収穫し、乾燥です。
ビニールハウスの中で均等に広げ、乾燥を待ちます。
ここでポイントは水分をほとんど飛ばすこと。
水分を飛ばさないと、保管時にカビが生えることがあり、乾燥具合を見て、機械乾燥をかけることもあります。
そうして、乾燥をしたオヤマボクチをフードプロセッサーにかけます。
そして、できるのが、「つなぎ」として利用できる繊維質だけを取り出した、オヤマボクチ。
よもぎのモグサのような状態になります。
このオヤマボクチをそばや団子に練り込むことで、独特の弾力と風味が生まれます。
いかがでしたでしょうか?
次回は、オヤマボクチを使ったそばの打ち方を小谷流でお教えします。