山々からの恵み、雪国の知恵、そして伝統。

村の南北に2000m級の山々を抱え、村の90%以上が森林の小谷村。
その美しさと共に、高地ならではの食の宝庫。

雪解けの季節

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小谷の春は遅く、雪解けが始まるのは4月。桜が咲くのは5月の始め頃。

雪解けが始まると銀世界だった村にも、春の色が見え始めます

道を歩けばフキノトウが群生し、山を見上げると多くの山菜が目に止まります。

北アルプス山麓の豊富なミネラルを含んだ水をたっぷり吸い込み、同時に高地の新鮮な空気を吸い込み育った山菜

春を待っていた、村のとうちゃん・かあちゃんが朝から山に上がり、カゴいっぱいの山菜を収穫。
冬の厳しい小谷村では、今も昔も新鮮な山菜は待ちに待った貴重な食材であり収入源です。
春の食卓に久しぶりの彩りが戻ってきます。

 

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小谷の山の味覚の代表格。きのこ

種類豊富なきのこが山のなかで、ゆっくりと時間をかけて育っていきます。

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原木きのこはひとつひとつ、とうちゃんの手仕事で原木に穴を開け、コマを打っていきます

コマとはきのこの菌がついた、いわばきのこの卵。

大切なコマを傷つけないように、丁寧な手仕事で作業が進みます。

コマを打って菌が原木に行き渡るまでに、1年〜2年ほど。
ゆっくりと時間をかけ育てたきのこは、人工菌床栽培によるきのことは一味ちがい、肉厚で濃厚な味。

 

コマ打ちから収穫まで待ち遠しいきのこ。

村に流れるゆっくりとした時間の中で、きのこはじっくりと旨味を閉じ込めていきます

長い雪の季節を乗り切る

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きのこの収穫も終わるといよいよ長い雪の季節。

特別豪雪地帯小谷村

雪が多くなると、すっぽり家が埋まってしまうこともしばしば。

この長い冬のために受け継がれてきた食文化

過酷な冬を乗り越えるための食料の保存加工技術

小谷村ではかつて冷蔵庫のない時代から、野菜を塩漬けにし保存してきました。
村のかあちゃん達は、春から秋にかけて収穫した野菜や山菜を樽に並べ、真っ白になるくらいの塩をふりかけ保存します。
塩分濃度を濃くすることで、微生物が生息できなくなり、長期保存が可能になります。
それを、農産物が確保できない冬の間、必要な時に樽から出し塩抜きし、味をつけて食す。

村で受け継がれる、かあちゃんの知恵、生活の知恵。

 

知恵を守り、味を受け継ぐ

そんな、小谷村の食文化を受け継ぎ引き継いでいる施設の一つ、「山菜加工場」。

まだまだ、村のとうちゃんかあちゃんが若かりし、日本の高度経済成長の終わり頃。
小谷村の生活も少しずつ、豊かになりつつある頃。
村で豊富にとれる山菜や野菜を生かそうと、大型の塩蔵貯蔵施設と加工施設を備えた山菜加工場が昭和47年に設立されました。

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設立から40年以上経った現在でも、設備改修や更新を行い、当時から変わらない製法を守っています

山菜加工場では、その時期の旬だけを集荷し、昔ながらの塩蔵方法で貯蔵します。
塩蔵した山菜や野菜は漬け具合を見計らい、村のかあちゃん達がひとつひとつ手作業で選別し、山菜加工場の特産加工品として味付けを加え、販売を行います。
蔵や選別は、小谷のかあちゃん達の知恵の結晶であり、受け継がれた食文化です。

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加工場の設立以来、昔ながらの貯蔵加工を守り続け、現在まで受け継いでいます。